木々の葉も色づき始め、朝夕の冷え込みが少しずつ厳しくなってまいりました。中小企業の経営者の皆様、人事労務をご担当の皆様、日々の業務大変お疲れ様です。
年末が近づくと、従業員が楽しみにしている「冬のボーナス(冬季賞与)」の支給時期がやってきます。しかし、給与計算や社会保険手続きを担当する皆様にとっては、通常の給与とは異なる計算や手続きが発生するため、非常に気の抜けないタイミングでもあります。
今回は、賞与支給時に間違いやすい社会保険料の計算ルールと、忘れがちな手続きに関する実務上の留意点を分かりやすく解説いたします。
賞与にかかる社会保険料の基本ルール
毎月の給与と同じく、賞与からも「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」を控除する必要があります。
- 健康保険・厚生年金保険
賞与の総支給額から1,000円未満の端数を切り捨てた「標準賞与額」に、それぞれの保険料率を掛けて計算し、労使で折半します。 - 雇用保険
賞与の総支給額(端数切り捨てなし)に、雇用保険料率(労働者負担分)を掛けて控除額を計算します。
🔗 参考リンク:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/shoyo/20140813.html
賞与支給に関する実務上の留意点
標準賞与額の「上限」に注意
健康保険と厚生年金保険の標準賞与額には、それぞれ上限が設けられています。 健康保険は「年間(4月1日~翌年3月31日)の累計額で573万円」、厚生年金保険は「1ヶ月あたり150万円」が上限となります。特に役員へ多額の賞与を支給する場合などは、システム上の上限設定が正しく機能しているか確認が必要です。
「賞与支払届」は支給日から5日以内に提出
賞与を支給した際は、支給した日から5日以内に管轄の年金事務所へ「被保険者賞与支払届」を提出しなければなりません。これを忘れると、将来の従業員の年金額に正しく反映されないという重大なトラブルに発展する恐れがあります。忙しい時期ですが、支給後の速やかな手続きを忘れないよう留意しましょう。
産休・育休中の社会保険料「免除」ルールの確認
賞与を支給した月に、従業員が産前産後休業や育児休業を取得している場合、一定の要件を満たせば賞与にかかる社会保険料(労使ともに)が免除されます。 特に育児休業については、「賞与を支給した月の月末を含んで育児休業を取得している」かつ「休業期間が継続して1ヶ月を超える」場合に免除の対象となります。
🔗 参考リンク:日本年金機構「育児休業等期間中の 社会保険料免除要件が見直されます。」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0729.files/ikukyu-chirashi.pdf
まとめ
賞与の計算は、上限額の管理や免除要件の確認など、通常の給与計算以上にイレギュラーな確認事項が多く発生します。
「育休中の社員への賞与計算が合っているか不安」「賞与支払届の電子申請のやり方が分からない」など、年末の労務手続きでお困りの経営者様・人事担当者様は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。
